激安ネットショップ
:先ほど、パーキンソン病は外見でわかりやすいというお話がありましたが、それは逆に、社会生活を送るうえで支障にもなると思います。薬物治療は肉体的なQOLに深くかかわる問題ですが、社会生活のQOLも重要な問題になってくると思います。具体的に、どのような問題がありますでしょうか。
:手の震えがあれば細かい作業はしにくくなりますし、他の症状でも動作が鈍くなるというようなことがあり、就労がたいへん難しくなります。私自身、振戦や言葉がうまく出てこないなどの症状から仕事に就くことはあきらめました。こうした就労の問題は、働き盛りで発症する若年性パーキンソン病の患者さんにとって特に深刻です。就労をあきらめることはすなわち、収入の道を絶たれることになりますから。
今年の全国パーキンソン病友の会の大会で、若年性部会がまとめた「若年患者の就労と生活の現状について」のアンケート調査の結果が発表されましたが、それを見ると、40〜50代の患者さんで、退職されている方が最も多く見られました(図1)。また男性患者では「就労に対する悩み」の占める比率が高く、「治療にまつわる悩み」が1位となる女性との意識の違いが浮き彫りになっています(図2)。私は現在、女性の就労問題に関する活動にボランティアで携わっていますが、男女の賃金格差は男性が患者になった場合に家計を直撃するという結果をもたらします。女性の賃金が低いということが、結果的には男性患者とその家族をも苦しめているのです。こうした問題についても社会に向けて発信する必要があると思っています。現実は患者しか知らないわけですから、友の会からあらゆるメディアを使って発信していくしかないだろうな、と思っています。
:この病気はうつ症状も出やすく、家にこもりがちになります。それだけでも社会的なQOLは非常に低下します。よくわからないのですが、人に会いたくない、という気持ちが強くなるのです。僕はそこを一歩乗り越えて、これではいけないと友の会の役員を引き受け、活動に積極的に取り組むことで自分自身救われたのだけど、望月さんが言われたように、若年性の場合は経済問題がからみますから、さらに難しい状況に置かれるわけです。
:若年性パーキンソン病患者の就労問題に対する友の会の試みとして、難病の患者さんの作業所である「ワークハウスあけび」が今年4月に兵庫県で開設されています。これは、地域の保健所や友の会の勉強会で知り合った患者間、家族間の交流から生まれた成果です。
:医師と患者さんだけでなく、世の中とのコミュニケーションとか、患者さんと家族、家族と家族、患者さんと患者さん、こうしたいろいろなレベルのコミュニケーションが成立すれば大きな力となるのですね。
全国でここまでのレベルのコミュニケーションを実現するのはまだたいへんなところもあると思いますけれど、友の会が推進力になってそういうところを進めていかなくてはいけないのだと思うのですね。それが結局は社会全体の文化の底上げというか、弱い立場の人、自分と異なる立場の人にも目を向ける余裕をつくることにもつながるでしょう。
:もうひとつ、経済問題でわれわれが直面することに医療保険と介護保険の問題があります。この2つのサービスを同時に使うことは行政上できないシステムになっています。例えば介護老人保健施設にパーキンソン病の患者が入院すると、薬代は支給されないことになります。これでは施設側は複数の患者を受け入れることができません。
小出:そういう政治的な問題のしわ寄せがそんなところに出ているのですね。
:こうした問題の解決に、行政に働きかけるのもひとつの手ですが、そのほかに私たちは、特別養護老人ホーム、ケアハウス、デイサービス、グループホーム、家族も一緒に生活できる施設などを運営するため、新たに社会福祉法人を立ち上げました。こういう形で、パーキンソン病患者の声を福祉の場に生かしていく試みも行なっています。
:先ほど、パーキンソン病は外見でわかりやすいというお話がありましたが、それは逆に、社会生活を送るうえで支障にもなると思います。薬物治療は肉体的なQOLに深くかかわる問題ですが、社会生活のQOLも重要な問題になってくると思います。具体的に、どのような問題がありますでしょうか。
:手の震えがあれば細かい作業はしにくくなりますし、他の症状でも動作が鈍くなるというようなことがあり、就労がたいへん難しくなります。私自身、振戦や言葉がうまく出てこないなどの症状から仕事に就くことはあきらめました。こうした就労の問題は、働き盛りで発症する若年性パーキンソン病の患者さんにとって特に深刻です。就労をあきらめることはすなわち、収入の道を絶たれることになりますから。
今年の全国パーキンソン病友の会の大会で、若年性部会がまとめた「若年患者の就労と生活の現状について」のアンケート調査の結果が発表されましたが、それを見ると、40〜50代の患者さんで、退職されている方が最も多く見られました(図1)。また男性患者では「就労に対する悩み」の占める比率が高く、「治療にまつわる悩み」が1位となる女性との意識の違いが浮き彫りになっています(図2)。私は現在、女性の就労問題に関する活動にボランティアで携わっていますが、男女の賃金格差は男性が患者になった場合に家計を直撃するという結果をもたらします。女性の賃金が低いということが、結果的には男性患者とその家族をも苦しめているのです。こうした問題についても社会に向けて発信する必要があると思っています。現実は患者しか知らないわけですから、友の会からあらゆるメディアを使って発信していくしかないだろうな、と思っています。
:この病気はうつ症状も出やすく、家にこもりがちになります。それだけでも社会的なQOLは非常に低下します。よくわからないのですが、人に会いたくない、という気持ちが強くなるのです。僕はそこを一歩乗り越えて、これではいけないと友の会の役員を引き受け、活動に積極的に取り組むことで自分自身救われたのだけど、望月さんが言われたように、若年性の場合は経済問題がからみますから、さらに難しい状況に置かれるわけです。
:若年性パーキンソン病患者の就労問題に対する友の会の試みとして、難病の患者さんの作業所である「ワークハウスあけび」が今年4月に兵庫県で開設されています。これは、地域の保健所や友の会の勉強会で知り合った患者間、家族間の交流から生まれた成果です。
:医師と患者さんだけでなく、世の中とのコミュニケーションとか、患者さんと家族、家族と家族、患者さんと患者さん、こうしたいろいろなレベルのコミュニケーションが成立すれば大きな力となるのですね。
全国でここまでのレベルのコミュニケーションを実現するのはまだたいへんなところもあると思いますけれど、友の会が推進力になってそういうところを進めていかなくてはいけないのだと思うのですね。それが結局は社会全体の文化の底上げというか、弱い立場の人、自分と異なる立場の人にも目を向ける余裕をつくることにもつながるでしょう。
:もうひとつ、経済問題でわれわれが直面することに医療保険と介護保険の問題があります。この2つのサービスを同時に使うことは行政上できないシステムになっています。例えば介護老人保健施設にパーキンソン病の患者が入院すると、薬代は支給されないことになります。これでは施設側は複数の患者を受け入れることができません。
小出:そういう政治的な問題のしわ寄せがそんなところに出ているのですね。
:こうした問題の解決に、行政に働きかけるのもひとつの手ですが、そのほかに私たちは、特別養護老人ホーム、ケアハウス、デイサービス、グループホーム、家族も一緒に生活できる施設などを運営するため、新たに社会福祉法人を立ち上げました。こういう形で、パーキンソン病患者の声を福祉の場に生かしていく試みも行なっています。